こんにちは、エレオです。
「周りの子に比べて、言葉が出るのが遅い気がする」「二つの言葉を聞かせているせいで、頭が混乱しているのかも」……そんなふうに、自分を責めてしまっていませんか?
ネットで調べれば調べるほど、何が正しいのか分からなくなって不安になるのは、あなたがそれだけお子さんの未来を真剣に考えている証拠です。ボクと一緒に、今の状況を一度きれいに整理してみましょう。
この記事を読むと、こんなことが分かります。
- バイリンガルと言葉の遅れに関する科学的な真実
- お子さんの「脳内」で今起きているすごいこと
- 言葉の数を正しく数えるための新しい物差し
- 焦らずに「次の一手」を見極めるための判断基準
専門家のように教えるのではなく、あなたの不安の横に立って、一緒に答えを探していければ嬉しいです。それでは、見ていきましょう。
バイリンガルと言葉の遅れに関する不安を整理する
まず最初にお伝えしたいのは、あなたが感じている不安は決して間違いではないということです。ただ、その「遅れ」にはバイリンガルならではのポジティブな理由があることを知ってほしいと思います。
脳が二つの言葉を整理している最中です
これは「単一音韻システム」と呼ばれる状態で、二つの言語を別々の箱に入れるのではなく、巨大なパズルを組み立てているようなものです。この複雑な整理作業には時間がかかるため、一時的に言葉がゆっくりに見えるのは、実は脳がフル回転で働いている証拠なんです。

バイリンガルのお子さんの脳内では、聞こえてくる全ての音を一つの大きなプールに溜めて、そこから言葉のルールを見つけ出そうとしています。
つまり、混乱しているのではなく、高度な情報処理を丁寧に行っている最中だと言えますね。
一つの言葉だけで成長を測る落とし穴
言葉の数を数えるとき、つい「日本語でいくつ言えるか」だけで判断してしまいがちですが、これには注意が必要です。
モノリンガルの子が100%の時間を一つの言葉に注ぐのに対し、バイリンガルの子は時間を分けて二つの言葉に触れています。どちらか一方の言葉だけを取り出せば数が少なく見えるのは、算数として当たり前の結果に過ぎません。
「日本語が少ないから遅れている」と決めつけるのは、片足の筋力だけを見て「歩く力が足りない」と言っているようなものかもしれませんね。
ここまで整理してみて、「じゃあ年齢の影響はどこまで考えればいいんだろう」と感じた人もいると思います。 判断材料として、こちらの整理も役立つかもしれません。
全体の知識量を合計して考える視点
お子さんの真の力を測るには、「総概念語彙数」という考え方がとても役に立ちます。
例えば、日本語で「いぬ」、英語で「Dog」と言える場合、それは一つの「イヌ」という概念を二つのラベルで持っているということです。言語が何語であれ、お子さんが理解している「意味の総数」を数えてみると、実はモノリンガルの子と変わらない、あるいはそれ以上の知識を持っていることが多いんです。
まずは今日から、言語を問わずにお子さんが知っている言葉を全て書き出してみてください。きっと驚くはずですよ。
沈黙の時期はインプットに集中しています
新しい環境に入ったときなどに、ピタッと話さなくなる「サイレント・ピリオド」という時期があります。
これは、脳が新しい言語のリズムや文法を全力でインプットしている期間で、決して「拒絶」しているわけではありません。地下で根っこを伸ばしている時期のようなもので、表面からは見えなくても、内側では爆発的な成長の準備が進んでいます。

無理に話させようとせず、笑顔でインプットの貯金を増やしてあげる時期だと捉えてみましょう。
言葉を混ぜて話すのは高度な技術です
「ルー語」のように言葉が混ざってしまうのを見て、不安になる必要はありません。
これは「コード・ミキシング」と呼ばれ、言いたいことを伝えるために持っている全ての武器を駆使している、とても知的な戦略です。「伝えたい」という気持ちが、文法的なルールよりも先に進んでいる頼もしい状態と言えます。
成長とともに脳が整理されていけば、相手に合わせて自然に切り替えられるようになるので、今はそのクリエイティブな表現を面白がってあげてくださいね。
バイリンガルと言葉の遅れが気になるときにできること

仕組みが分かって少し安心できたら、次は家庭で具体的にどう動けばいいのか、現実的な一歩を確認していきましょう。
得意な母語で深く語りかける大切さ
英語を教えなきゃというプレッシャーから、親御さんが不得意な言葉で話しかけるのは、実はあまりおすすめできません。
一番大切なのは、豊かな感情が乗った「生きた言葉」を届けることです。あなたが一番リラックスして話せる母語で深く語りかけることが、結果的にお子さんの思考力を育て、もう一つの言語を伸ばすための強い土台になります。
親子の温かいコミュニケーションこそが、どんな教材よりも強力な学習環境になるんです。
家庭の中で“無理のない英語との距離感”を作るやり方を整理した記事
年齢別の目安と受診を検討する基準
「様子を見てもいい場合」と「専門家に相談したほうがいい場合」の境界線を知っておくと、心が少し軽くなります。
2歳で単語が出ない、3歳で二語文が出ない、といった目安はありますが、何より注目すべきは「言葉以外のコミュニケーション」です。名前を呼んだら振り向くか、指差しで意思を伝えようとするか、といった「伝えようとする姿勢」があるなら、焦りすぎる必要はありません。
もし、どの言語でも意思疎通が難しいと感じたり、一度できたことができなくなったりした場合は、専門機関へ足を運ぶタイミングかもしれません。
日常会話と学習用の言葉には違いがある
「おしゃべりは上手なのに、学校の勉強で苦労している」という場合、言葉の種類の違いに原因があるかもしれません。
日常の会話に必要な力は1〜2年で身に付きますが、教科書を読むような学習用の言葉には5〜7年という長い時間がかかります。会話ができるからと安心せず、読書や深い対話を通じて、少しずつ「考えるための言葉」を育てていく意識を持ってみてください。
これは長いマラソンのようなものですから、今の段階で全てを完璧にする必要はないんですよ。
焦らずに見守るための環境の作り方
周りの声に惑わされず、お子さんのペースを信じるための環境を整えましょう。
「日本語に絞ったほうがいい」という根拠のないアドバイスに耳を貸す必要はありません。大切なのは、お子さんが「伝えたい」と思ったときに、どんな言葉を使っても笑顔で受け止めてもらえる安心感です。
家の中が一番のリラックスの場であれば、言葉は自然と、でも確実に、外に向かって伸びていきます。

バイリンガルと言葉の遅れについて向き合う方法
最後に、一番大切なことをお伝えします。
言葉の早い遅いは、あくまで成長のワンシーンに過ぎません。バイリンガルと言葉の遅れについて悩む今の時間は、あなたがそれだけお子さんの可能性を信じ、世界を広げてあげようとしている証拠です。
「今は根っこを伸ばしている時期なんだ」と自分に言い聞かせて、今日はお子さんと一緒に、ただ笑い合う時間を過ごしてみてください。
ボクも、あなたのその一歩を応援しています。
ここまで読んで少し落ち着いたら、今の気持ちに近いところから参考にしてください。
