おうち英語のやり方について検索されている方の中には、親が英語できないけれど大丈夫だろうか、そもそもおうち英語は意味ないのではないか、といった不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。また、やってはいけない勉強法を避けつつ、子どもがペラペラになるまで何年かかるのかも気になるところです。
この記事では、聞き流しやYouTube、本といったツールをどのように活用すれば良いのか、特に小学生向けの教材選びのポイントも含めて、効果的なおうち英語のやり方を網羅的に解説します。
- おうち英語を始める前の心構えと注意点
- インプットからアウトプットまでの具体的なステップ
- 効果的な教材や無料ツールの正しい活用法
- 小学生からでも成功させるためのポイント
始める前に知るおうち英語のやり方

- 親が英語できないけど大丈夫?
- おうち英語が意味ないと言われる理由
- 後悔しないためのポイント
- やってはいけない勉強法を避けるコツ
- ペラペラになるまで何年かかる?
親が英語できないけど大丈夫?
結論から言うと、保護者の方が英語を流暢に話せなくても、おうち英語を成功させることは十分に可能です。大切なのは、親が英語の先生になることではなく、子どもが英語に楽しく触れられる環境を整え、学習をサポートする案内役になることです。
もちろん、親が英語を話せるに越したことはありませんが、完璧な発音で語りかけることよりも重要なのは、子どもと一緒に英語を楽しむ姿勢を見せることです。英語の絵本を読み聞かせる際も、自信がなければ音声CD付きのものを活用したり、動画配信サービスのネイティブの音声を使ったりする方法があります。こうすれば、子どもは正しい発音に触れる機会を得られます。
また、子どもの「これってどういう意味?」という質問に対して、すぐに答えられない場面もあるでしょう。そのときは、「一緒に調べてみようか」と声をかけ、辞書や翻訳アプリを使って共に学ぶ姿勢を見せることが、子どもの知的好奇心を刺激し、学習意欲を高めることにもつながります。親が英語学習者としての一面を見せることは、子どもにとって親近感を抱くきっかけにもなり得ます。
おうち英語が意味ないと言われる理由

「おうち英語は意味ない」という意見を耳にすることがありますが、これはやり方を間違えてしまったり、成果が出る前にやめてしまったりするケースが多いためです。効果が出にくいとされる背景には、いくつかの共通した理由が存在します。
第一に、インプットの量が絶対的に不足している場合が挙げられます。言語の習得には、大量のインプットが必要です。週に数回、短い時間だけ英語の動画を見せる程度では、言語として定着させるのは難しいでしょう。生活の中に英語が自然に存在する環境を作り、日常的に触れる時間を確保することが求められます。
第二に、インプットの質に問題があるケースです。例えば、意味の分からない英語の音声をただBGMのように流しているだけでは、子どもはそれを意味のある「言葉」として認識しにくいです。映像や絵本など、視覚情報と音声が結びつくことで初めて、子どもは言葉の意味を理解していきます。状況や文脈から意味を推測できる質の高いインプットが重要になります。
最後に、アウトプットを急ぎすぎることが失敗の原因となることもあります。十分なインプットが蓄積される前に、子どもに無理に英語を話させようとすると、プレッシャーを感じて英語自体に苦手意識を持ってしまう可能性があります。まずは「聞く」「理解する」という段階をじっくりと経ることが、自然な発話につながるのです。
後悔しないためのポイント
おうち英語を始めてから「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、いくつかの重要なポイントを事前に押さえておくことが大切です。これらを意識するだけで、継続のしやすさや学習効果が大きく変わってきます。
まず、目標設定を現実的に行うことが重要です。「1年でネイティブのように」といった高すぎる目標は、親子双方のプレッシャーとなり、挫折の原因になります。それよりも「英語の歌を一緒に歌えるようになる」「簡単な絵本の内容が理解できる」など、達成可能な小さな目標を積み重ねていく方が、子どもの自信とモチベーションを育みます。
次に、英語学習を「楽しい時間」として位置づけることです。勉強として強制するのではなく、遊びの延長線上に英語がある状態が理想です。歌やダンス、ゲームなどを通して、子どもが自発的に英語に触れたいと思えるような環境作りを心がけましょう。親が楽しんでいる姿を見せることも、非常に効果的です。
また、他の子どもと比較しないことも精神衛生上、非常に大切です。子どもの言語習得のペースは一人ひとり異なります。SNSなどで目にする成功事例に焦りを感じる必要はありません。我が子のペースを尊重し、昨日より少しでもできるようになったことを褒めてあげることが、長い目で見た成長につながります。
そして、母語である日本語の発達にも配慮が必要です。英語に偏りすぎず、日本語の絵本の読み聞かせや会話の時間も十分に確保し、両言語のバランスを考えながら進めることが、子どもの豊かな言語能力を育む上で欠かせません。
やってはいけない勉強法を避けるコツ

おうち英語では、良かれと思って取り入れた方法が、かえって子どもの英語嫌いを助長してしまうことがあります。効果を最大限に引き出すためには、避けるべき「やってはいけない勉強法」を理解しておくことが不可欠です。
無理に発話を強要する
最も避けたいのが、子どもが話したがらないのに「英語で言ってみて」と無理に発話を促すことです。言語習得は、十分なインプットが蓄積されてから自然にアウトプットにつながるのが本来の流れです。焦ってアウトプットを求めると、子どもは英語を話すことにプレッシャーや苦痛を感じ、心を閉ざしてしまう可能性があります。
間違いを細かく訂正しすぎる
子どもが勇気を出して英語を話したときに、発音や文法の間違いをその都度細かく指摘するのも逆効果です。「間違えたら恥ずかしい」という気持ちが先行し、話す意欲を失わせてしまいます。最初はコミュニケーションが取れたことを褒め、伝える楽しさを感じさせることが最優先です。細かい修正は、もっと英語に慣れ親しんでからでも遅くありません。
年齢やレベルに合わない教材を使う
子どもの理解度を無視して、難しすぎる単語や複雑なストーリーの教材を与えることも避けるべきです。「分からない」「つまらない」という体験が続くと、英語そのものへの興味を失ってしまいます。少し簡単だと感じるくらいのレベルから始め、成功体験を積み重ねながら徐々にステップアップしていくのが成功のコツです。
日本語を完全に排除しようとする
英語環境を作ろうとするあまり、子どもが日本語で話しかけてきても英語でしか返事をしなかったり、日本語の使用を禁止したりするのは、子どもの情緒的な発達に悪影響を及ぼす可能性があります。特に幼児期は、親子間の信頼関係や安心感を築くことが何よりも大切です。母語でのコミュニケーションを基本とし、その上で英語に触れる時間を設けるというバランス感覚が求められます。
ペラペラになるまで何年かかる?

「おうち英語を続ければ、子どもはどれくらいでペラペラになるのか」というのは、多くの保護者の方が抱く疑問でしょう。この問いに答えるには、まず「ペラペラ」の定義を考える必要があります。
もし「ネイティブの子どもと対等に日常会話ができる」レベルを指すのであれば、一般的に2000時間から3000時間のインプットが必要だと言われています。これはあくまで一つの目安ですが、具体的な期間に換算してみましょう。
- 1日1時間の場合:約5年半~8年
- 1日3時間の場合:約1年10ヶ月~2年9ヶ月
このように、毎日継続したとしても、数年単位の長期的な取り組みになることが分かります。重要なのは、短期間で結果を求めず、焦らずじっくりと英語時間を積み重ねていくことです。
また、言語習得のスピードには個人差が非常に大きいです。子どもの興味の度合い、性格、インプットの質など、さまざまな要因が影響します。そのため、他人の子の進捗と比べて一喜一憂するのではなく、我が子のペースで英語に親しむ時間を着実に増やしていくことに集中するのが賢明です。
最初のうちは、発話がなくてもどかしい時期が続くかもしれません。しかし、その間も子どもの頭の中では着実に英語のシャワーが蓄積されています。そして、ある日突然、覚えた単語やフレーズが口から出てくるようになります。その瞬間を信じて、日々の取り組みを続けることが成功への鍵となります。
ステップ別おうち英語のやり方

- 聞き流しの効果的な方法
- YouTubeのおすすめ活用術
- 本を使った英語力の伸ばし方
- 小学生から始める際の注意点
- 小学生向け教材の選び方
- 話せない子もできるおうち英語のやり方
聞き流しの効果的な方法
「聞き流し」は、おうち英語の第一歩として手軽に始められる方法ですが、ただ音声を流すだけでは期待する効果は得られにくいです。効果を最大限に高めるためには、いくつかのコツがあります。
最も重要なのは、「意味と音が結びつく状況」を作ることです。例えば、子どもが映像コンテンツで既に親しんでいるアニメの音声や歌を、遊び時間のBGMとして流すのは非常に効果的です。子どもは頭の中で映像シーンを思い浮かべながら音を聞くため、セリフや歌詞がどのような状況で使われるのかを自然に理解できます。
また、生活の場面と関連付けるのも良い方法です。食事の時間には食べ物に関する歌を、お片付けの時間には片付けを促す歌を流すなど、行動と音声をリンクさせることで、言葉が単なる音ではなく、意味を持つものとしてインプットされやすくなります。
一方で、注意点もあります。子どもが日本語の会話や遊びに集中しているときに、無理に英語音声を大きな音で流すのは避けましょう。あくまでも生活に溶け込ませるのが目的であり、活動の邪魔になっては逆効果です。聞こえるか聞こえないかくらいの小さな音量で、BGMとしてさりげなく流しておくのがポイントです。聞き流しは、英語の音のリズムやイントネーションに耳を慣らすための「土台作り」と位置づけ、過度な期待をせずに気長に続けることが大切です。
YouTubeのおすすめ活用術

YouTubeは、無料で質の高い英語コンテンツにアクセスできる非常に強力なツールです。しかし、無計画に視聴させると、子どもの興味を引くだけの内容に偏ってしまったり、視聴時間が長くなりすぎたりする懸念もあります。上手に活用するためのポイントを紹介します。
まず、教育目的で制作されたチャンネルを選ぶことが基本です。幼児向けであれば、「Super Simple Songs」や「Cocomelon」のように、歌とアニメーションで楽しく英語のフレーズを学べるものがおすすめです。また、フォニックス(文字と音の関係)を学ぶなら「Alphablocks」、数の概念を英語で学ぶなら「Numberblocks」など、学習要素が明確なチャンネルは、子どもの知的好奇心も満たしてくれます。
次に、視聴環境を整えることが大切です。子どもに無制限に動画を選ばせるのではなく、親が事前に視聴させたい動画をまとめた再生リストを作成しておきましょう。これにより、関連動画に表示される不適切なコンテンツへのアクセスを防ぎ、学習の流れをコントロールできます。
そして最も重要なのが、「一人で見せっぱなしにしない」ことです。可能な限り親子で一緒に視聴し、「What color is it?」「It’s a big bus!」のように、動画の内容について簡単な英語で話しかけたり、歌やダンスを一緒に楽しんだりしましょう。このような親子のやり取りを通じて、動画からのインプットがより深く定着します。視聴時間をあらかじめ決めておくなど、スクリーンタイムのルール作りも忘れずに行いましょう。
本を使った英語力の伸ばし方
英語の絵本は、おうち英語において中心的な役割を果たす素晴らしい教材です。語彙力や読解力の基礎を築くだけでなく、親子のコミュニケーションを深める貴重な機会にもなります。
最初のステップは、読み聞かせです。特に0歳から3歳くらいの時期は、ストーリーの理解よりも、英語の音のリズムや響きを楽しむことが主目的です。そのため、色が鮮やかで、繰り返しが多く、リズミカルな文章の絵本が適しています。例えば、「Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?」や「Where’s Spot?」などは、定番として多くの家庭で愛されています。親の発音に自信がなくても、CD付きの絵本や、プロが朗読してくれるアプリなどを活用すれば問題ありません。
子どもが文字に興味を持ち始めたら、フォニックス学習を取り入れると良いでしょう。フォニックスは、アルファベット一つひとつの音が分かれば、知らない単語でもある程度読めるようになるためのルールです。フォニックスを学ぶことで、「自分で読める」という大きな成功体験を得られ、読書への意欲が高まります。
フォニックスと並行して、サイトワーズの学習も重要です。サイトワーズとは、「the」「you」「is」など、頻繁に出てくるもののフォニックスのルールに当てはまらない単語のことです。これらは形で覚えるしかありません。フラッシュカードなどを使って、少しずつ覚えていきましょう。
これらの基礎が身についてきたら、子どもが自分で読める簡単なリーダーズブック(Graded Readers)に挑戦させます。自力で一冊読み終えたときの達成感は、子どもの自信を大きく育ててくれるでしょう。
小学生から始める際の注意点

小学生からおうち英語を始める場合、幼児期から始めるのとは異なるアプローチと配慮が必要です。すでに母語である日本語の思考回路が確立されており、英語を「外国語」として意識しやすいため、いくつかの点に注意しましょう。
まず、本人のモチベーションを引き出すことが最も重要です。「なぜ英語を学ぶのか」という目的を、子ども自身が納得できる形で示す必要があります。例えば、「好きなゲームを海外のプレイヤーと楽しむため」「好きな映画を字幕なしで見るため」など、子どもの興味関心と英語を結びつけてあげることが効果的です。
学習内容については、幼児向けのアプローチだけでなく、小学生の認知発達段階に合った、より体系的な学びを取り入れるのがおすすめです。特に、アルファベットの読み書きやフォニックスのルールは、ゲーム感覚で学べるアプリや教材を使い、理論的に学ぶことで効率良く習得できます。幼児のように自然に吸収するのを待つよりも、ある程度「学習」として取り組む方が、成果が見えやすく本人のやる気にもつながります。
一方で、英語に対する苦手意識を持たせないための配慮も不可欠です。学校の授業で英語に苦手意識を持ち始めている場合は特に、家庭では「楽しむ」ことを最優先しましょう。完璧を求めず、間違いを恐れずにアウトプットできる安心な環境を作ってあげることが大切です。オンライン英会話などで、ゲームをしながら楽しく話せる先生を見つけるのも一つの良い方法です。
小学生向け教材の選び方
小学生になると、子どもの興味や学習レベルが多様化するため、教材選びはより重要になります。子どものタイプや学習目的に合わせて、様々な教材を組み合わせるのが成功の鍵です。
ここでは、小学生向け教材の種類とその特徴を表にまとめます。
| 教材タイプ | 特徴 | こんな子におすすめ |
|---|---|---|
| オンライン英会話 | ・実践的な会話練習ができる ・外国人講師と直接話せる ・ゲームなど楽しい要素が多い | ・人とおしゃべりするのが好きな子 ・インプットがある程度あり、アウトプットの場を求めている子 |
| 学習アプリ | ・ゲーム感覚で手軽に取り組める ・フォニックスや単語学習に強い ・隙間時間を活用しやすい | ・タブレットやスマホが好きな子 ・自分のペースで進めたい子 |
| ワークブック | ・「書く」練習ができる ・学習の進捗が目に見えやすい ・体系的に学べる | ・コツコツ机に向かうのが好きな子 ・読み書きの力をつけたい子 |
| 英語の動画・アニメ | ・楽しみながら自然な表現に触れられる ・リスニング力向上に効果的 ・無料コンテンツが豊富 | ・アニメや動画が好きな子 ・学習感が強いものを嫌がる子 |
| リーダーズブック | ・レベル別に構成されている ・「自力で読めた」達成感が得られる ・多読を通じて読解力を養う | ・読書が好きな子 ・フォニックスの基礎を終えた子 |
教材を選ぶ際は、まず無料体験やサンプルを活用し、子どもが本当に楽しめるかどうかを確認することが大切です。一つの教材に固執せず、子どもの反応を見ながら、複数の教材を柔軟に組み合わせていくことをおすすめします。
話せない子もできるおうち英語のやり方
この記事で解説してきた、話せない子どもでも取り組めるおうち英語のやり方の要点をまとめます。
- 親の英語力は必須ではなくサポート役が重要
- 失敗の原因はインプットの量と質の不足
- 現実的な目標設定で後悔を防ぐ
- 英語学習を楽しい遊びとして位置づける
- 子どもの発達ペースを尊重し他人と比較しない
- 母語である日本語とのバランスに配慮する
- 発話の強要や間違いの過度な訂正は避ける
- 子どものレベルに合った教材を選ぶことが大切
- 流暢になるには数千時間単位の継続が必要
- 聞き流しは映像など視覚情報とセットで効果アップ
- YouTubeは親が再生リストを作り一緒に視聴する
- 絵本の読み聞かせで英語の音とリズムに親しむ
- 小学生からは本人の興味と学習を結びつける
- オンライン英会話やアプリなど複数の教材を組み合わせる
- まずは焦らずインプットを蓄積させることが成功の鍵
